k もっとスパイスを!

クミン

クミンは最も古いスパイスの一つ。

歴史を紐解くと、少なくとも5千年前にまで遡ることができます。

発祥は地中海沿岸、エジプトの辺り。

古代エジプトでは消化を助ける薬として、あるいは

防腐剤としてミイラに大事に使用されました。

また、貨幣としても使われていたことが聖書に出てきます。

古代ローマでは貴重品として国家の管理下におかれていました。

Photo_2

その後、イベリア半島を通ってヨーロッパ各地に、

メソポタミアを経由してインドに到達したのは

まだ紀元前のこと。

もっと時代が下って中世期になると、

コロンブスの新大陸発見以後、

クミンはスペインからメキシコへ渡って

チリコンカルネという名物料理となり、

そしてメキシコからアメリカにわたって

南部独特の料理を生み出すことになります。

こうして何千年とかけて世界中に広まったクミンですが、

私達、東アジアの人間にとっては遥か遠い国の香り、

最もエキゾチックな郷愁をかきたてられる香りです

英名:Cumin
和漢名:ばきん、まきん(馬芹)
学名:Cuminum cyminum L.
科名:セリ科の一年生草本
原産地:地中海沿岸、エジプト
主産地:イラン、インド、モロッコ、アルジェリア、シリアなど

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ガラムマサラ

「ガラムマサラ」の意味は、「熱いスパイス」。

でも、「辛い」から「熱い」のではなく、

作る過程で火を通すからなんだそうです。

インド、パキスタン、バングラデシュ料理で使われますが、

皆さんが一番馴染みがあるのはインド料理でしょうか。

カレーには必ず使われますね。

ガラムマサラはいわゆる合わせスパイスで、

インドでは「家庭の数だけガラムマサラの数がある」

と言うように、その家庭独特の配合があります。

基本のスパイスはシナモン、クローブ、ナツメグの三種で、

ここに胡椒、月桂樹の葉、コリアンダー、カルダモン、クミン etc.

と多様なスパイスを加えることで地方や家庭の色が出るというわけ。

617pxgaram_masala_new_20081
photo fom wikipedia

作り方は簡単。

これらのスパイスを丸ごとフライパンで乾煎りし、

臼で細かく砕いて出来上がり。

やはり作りたてが香りが高いようです。

LPVではガラムマサラはひっきりなしに登場するスパイス。

サラダ、パテ、肉類、デザート、カクテル・・・・

素材を選ばず、意外に何にでも合うのですよ。

あなたもオリジナルのガラムマサラを作ってみませんか?

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ジュニパーベリー

またの名を「ねずの実」。
「ねずの実」の由来は、細い針状の葉がねずみを刺して
その侵入を防ぐから、と言われています。
ヒノキ科の針葉樹の一種で、秋になると青紫色の実をつけます。
この実を乾燥させて蒸留酒や料理の香りづけに。
フランス語で「ジュニエーヴル=Geniévre」。
因みに、アルコールの「ジン」はこの言葉に由来。

800pxjuniperus_communis5 これはまだ青い実ですね photo from wikipedia

西洋では防腐剤として使われる一方、
消化・整腸を促し、また喘息にも効くとして
ハーブティとして飲用されています。

800pxbaies_de_genc3a9vrier乾燥後の実 photo from wikipedia

ジュニパーベリー・・・
仏名:Genievre
英名:Juniper Berry
和名:杜松実(としょうじつ)、ねず、ねずみさし
学名:Juniperus communis L.
科名:ヒノキ科の常緑樹
原産地:ギリシア
主産地:イタリア、フランス、ドイツ、ハンガリー、北アメリカなど

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スターアニス

「スターアニス」ってなんだか可愛らしい響きですね☆
でも日本語で「八角と」言った方が
殆どの人はピンと来るかもしれません。
Wiki_2
photo from wikipedia

アニスと八角は本当は全く別種の植物なんだそうです。
香りが非常に似ていることから
西欧では八角をスターアニスと呼びます。
アニスは南フランスの代表的なお酒、
パスティスの原料。
ギリシャの国民的リキュール・ウゾーも
やはり原料がアニスです。
と、いくら地中海に思いを馳せてみても、
日本人にとって八角は100%
「中華料理の匂い」
でしかありませんね(笑)。

しかしそれはつまらない固定観念。
例えば、紅茶に砂糖を入れるのは平気なのに、
ジャスミンティやほうじ茶に砂糖となると途端にNG。
では抹茶アイスやプーアール茶のゼリーは美味しくて、
ほうじ茶のプリンは本当にマズイのでしょうか?
考えたらおかしな話です。
 
固定観念に囚われるということは、
この世の美味しいものを自ら
拒絶しているようなものです。
「折角フレンチ食べに来たのに、
なんで中華の匂いがするのよ!」
とおっしゃらず、LPVの料理は是非とも
そんな風に感覚を自由に解放して
味わって頂ければと思います。

スターアニス・・・・
仏名:Badiane
英名:Star anise
和漢名:はっかく(八角)、大ういきょう(茴香)、トウキシミ
学名:Illicium verum Hooker
科名:シキミ科の常緑樹
原産地:中国西南部地方(江西省)
主産地:中国、ベトナム、インド、インドシナ

東洋では昔から線香や抹香の原料に使われており、
宗教的な香りでもある。
           

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失われたスパイスを求めて

フィリップ・ドゥラクルセルが、ある日フランスを
飛び出してアジアを巡る長い旅に出たのは、
紀元前から現在に至るまで西欧人が連綿と
持ち続けた東方=オリエントへの憧憬が、
殆どそれは遺伝子に組み込まれているといっても
いいほどの強い願望として、一個人としての
彼の心にあったからに違いない。 

Epices_bien_2

かつて西の人々は、東にある幻の美しい国々を求め
海から、そして陸から何度も探検を試みました。
楼蘭、敦煌、ニヤ、楽浪・・・そしてジパング。
陸からアジアを目指した彼らは、
勿論シルクロードを伝っていきました。 
幻の国に巡り会えた幸運者はほんのごく僅かで
詮無くもその地に骨を埋めたり、旅の途中不遇にも
命を落とすことも珍しくはなかった時代。と言っても、
何も発見できず落胆して帰途に着いたわけではなく、
持ち帰ることのできる収穫品には事欠きませんでした。
見たこともない美しい織物、焼き物、宝石類・・・
それらの中、シルクロードの長い歴史の中で
最も珍重されたのは、実は<スパイス>でした。
商人達が物々交換でスパイスを手に入れていた
長閑な時代が過ぎると、スパイス自体が貨幣の役目を
果たすようになり、まもなくヨーロッパの列強国が
スパイス争奪戦争を繰り広げる時代がやってきます。
スパイスとは、国の威信をかけても入手が必須の
大変貴重な存在だったのです。
かつて、スパイスは病気を治す薬であり、
ミイラの保存剤に使われたように永遠の姿を留める

魔法の薬品であり、精神を清める神聖な香物でした。 
ヨーロッパの人々にとってなくてはならない大事なもの、
それがスパイスです。

Photo

このスパイスに魅せられたフィリップは、
アジアを巡る旅の先々で、何千年の東西交流の後さえ
まだ未知のスパイスが沢山あることに驚きます。
または長い貿易の歴史の中で消えていったスパイスも
あったのでしょう。
それらを再発見し、ヨーロッパに持ち帰ること。
現代のフランス料理の中に蘇らせること。
沢山のアイデアを頭に詰め込んである時フィリップは
帰国を決意し、パリに戻って自分の店を開きます。
東洋のスパイスを生かしたフランス料理。
誰もが「未知の味」「なんという独創性」と驚き、
フランス料理の新しい潮流とばかり騒がれましたが、
もしかしたら歴史の中では
とっくに使われていたのかもしれません。

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